映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@星埜まひろ)さんからの投稿レビューです。
夢も希望もなくなってしまった世界で突如訪れた煌びやかなホテルへの誘い。
そこには娯楽と食料が大量にあり、人類を魅了する。
果たして、そこにあるのは楽園か地獄か。
迫り来る恐怖と決断を、自分に置き換えて考えると深い世界観にハマれるかも?
ホラー初心者にぜひ見てもらいたい、ほんのりホラー風味のサイコ映画です。
どれくらい怖いかはこの記事を読んでのお楽しみ!
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
殺人ホテル

公開日
2020年10月22日
原題
Cadaver
上映時間
86分
キャスト
- ヤーラン・ヘルダル(監督)
- ギッテ・ウィット
- トーマス・グルスタッド
- ソービョルン・ハール
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー

好きだった点
僕はホラー映画がとても苦手なのですが、それでも最後まで目を瞑ることなく見れた作品です。
舞台がノルウェーということもあり、どこか見慣れない異国の世界観が劇中の不気味さを際立たせていました。
ホラーは苦手だけれど、グロは好き!
という人にこそオススメしたい作品となっています。
カニバリズム好きな人はぜひ見てください。
冒頭の演技を俯瞰して見るシーンが、シュールで違う映画の設定にしても面白いのではないかと思う程に素晴らしい設定だと思いました。
若干シェイクスピアっぽいかな。
ただ、演技を見ている者が仮面をつけることによって、そこにハッキリと少しの恐ろしさを付け加えている点が良かった。
演劇と現実の境目が分からなくなる感じや、誰が味方か敵か信用できない雰囲気、演技というキーポイントがこの作品を面白くしていました。
特に、冒頭で人間と動物の違いについて語るシーンは考えさせられます。
嫌いだった点
設定が面白いだけに、もっと脚本を丁寧に仕上げて欲しい部分が目立ちました。
展開が早すぎて「 え、そんなに早く展開が切り替わるの? 」
と若干置いてきぼりになるシーンがいくつもあり少し物足りなかった。
こういったホラー映画においては仕方ないのかもしれませんが、登場人物の行動が愚かすぎて、もっと頑張れよという気持ちになりました。
静かにしなければいけないシーンなどで、大きな声で人名を叫んだり、失くしてはいけないと言われた仮面をアッサリ捨てたりという浅はかな行動が目立ちます。
フィクションではありますが、もう少し行動にリアリティを持たせて欲しいと思いました。
見どころ
主役であるレオが、自らの演技で一般人である参加者を引き連れて歩くシーンは必見。
物語は綺麗に終わっているのに、ハッピーエンドではない点もオススメ。
考察レビュー
作中での世界は、核の恐怖に怯え、人々は日々の食事もままならない生活を送っていました。
そしてホテルに誘われ、そこで悲惨な事件に巻き込まれていくのです。
彼らがホテルでありついていた食事は、以前ホテルに招待された参加者の人肉でした。
レオは必死に生き延び、夫を犠牲にはしますが、最後には主催者を倒し行方不明だった娘も取り戻します。
文面だけ見ればハッピーエンドですね。
しかし、主催者は言います。
「 お前は独りぼっちだ 」と。
それは往生際の悪い死に台詞とも取れますが、そうは思えませんでした。
レオと娘のアリスは無事にホテルから脱出しましたが、そこには幸せな日常ではなく、今までと同じ苦しい現実が待っているのです。
明日食べるものもなく、道端には死体が普通に転がっている街。
果たして彼女たちの選択は正しかったのでしょうか?
なにが悪でなにが正義なのでしょう。
ただのホラー映画ではなく、哲学的なメッセージも感じられる作品です。
まとめ

あなたなら生きるために何を選びますか?
是非、今作を見て自身の価値観を確認してみてください。