【 Netflix 】「 ボーイズ・イン・ザ・バンド 」テーマはLGBTQ

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ボーイズ・イン・ザ・バンド
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今回は、ペンネーム(@御縁あやの )さんからの投稿レビューです。

1968年にオフ・ブロードウェイで上演された伝説の舞台。

1970年、舞台と同じキャストで撮影された同名映画のリメイク。

ゲイを公表している9人の俳優たちが、ゲイ役を好演している。

目次

ボーイズ・イン・ザ・バンド

ボーイズ・イン・ザ・バンド
©️ボーイズ・イン・ザ・ハンド

公開日

2020年9月30日

原題

The Boys in the Band

上映時間

122分

キャスト

  • ジョー・マンテロ(監督)
  • ライアン・マーフィー(製作)
  • ジム・パーソンズ
  • ザカリー・クイント
  • マット・ボマー
  • アンドリュー・ラネルズ
  • チャーリー・カーヴァー
  • ロビン・デ・ヘスス
  • ブライアン・ハッチソン
  • マイケル・ベンジャミン・ワシントン
  • タック・ワトキンス

原作:マート・クロウリー「 The boys in the band 」(舞台)

予告編

公式サイト

ボーイズ・イン・ザ・バンド

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

感想レビュー 

ボーイズ・イン・ザ・バンド
©️ボーイズ・イン・ザ・ハンド

ゲイを公言しているキャストのみで再演した舞台、そのキャストをそのまま起用しての映画化作品。

舞台はトニー賞を獲得した。

日本でも2020年、演出:白井晃、主演:安田顕で上演された。

そもそもは1968年の初演の舞台。

1970年の映画でも同じキャストだが、彼らは9人のうち6人がゲイ、3人がストレートで、仕事や生活を捨てる覚悟で臨んだ作品だったそうだ。

今でこそLGBTQといった性的嗜好をオープンにすることができる流れができ、Netflixは映画だけでなく、ドラマ、ドキュメンタリーなど、数多くのLGBTQ作品を製作し配信している。

それでもまだまだ奇異の目を向ける人が大半で、ストレートの性的嗜好を「 ノーマル 」と衒(てら)いなく言えてしまう世の中だ。

約50年前の彼らの世間からの扱われ方は想像に難くない。

しかも、LGBTQ当事者の人々が迫害に立ち向かう権利獲得運動への転機となった、いわゆる「 ストーンウォールの反乱 」よりも前(調べてみてね)。

そんな時代に、この作品に携わって世の中に一石を投じ、歴史と文化を切り開いた彼らの勇気には心から敬意を表する。

製作を担当したライアン・マーフィーもゲイを公言しており、LGBTQをテーマにした作品に幾度も携わっている。

同じくNetflixで配信中のドラマ「 POSE ポーズ 」もそう。

テレビドラマ「 ハリウッド 」では今作の監督を務めるジョー・マンテロ(彼もゲイを公言している)、ジム・パーソンズが出演している。

TV映画だが2014年には「 ノーマル・ハート 」という作品も手がけており、こちらは1985年に上演された舞台作品の映画化である。

エイズがゲイ・キャンサーと呼ばれ、ゲイ・コミュニティへの風当たりがさらに強くなっている中、エイズは誰にでも起こりうる性感染症であると啓蒙する物語だ。

主演はマーク・ラファロで、今作で主演のジム・パーソンズとマット・ボマーも出演している。

好きだった点

エモリーが電話のゲームに参加する際にバーナードがマイケルと言い合う一連の台詞。

黒人でゲイという、大変な境遇のバーナードが優しすぎて抉(えぐ)られまくった。

「 もうあんなこと言わない 」と謝罪するエモリーはとても立派だし、ゲーム後にふさぎ込んでしまったバーナードをモーニングに連れ出すのもとてもいい。

ストレートのアランの言う「 普通 」が、小さな部屋の中では8対1のマイノリティになってしまうという皮肉。

嫌いだった点

仕方がないことだが、救いがあまりないところ(リアルだが)

これは作品自体の問題ではないのだが、字幕で「 ホモ 」という言葉が出てくる点。

私は英語の細かいディテールは分からないし、本人たちがあえて侮蔑の言葉を使うことも多い作品故に、

どんな意図で言っているのか、使われているのかわからないが、差別的な背景が大きい言葉なのでドキッとした。

見どころ

明るく振舞う彼らの中にある、性的嗜好の自認や、世間からの目などに対するフラストレーションがジワジワと溢れ出ている。

特に電話のゲームでは、本当は愛しているのに言えない、という、ストレートのそれとはまったく違う苦しみや葛藤が、本当に見ていて辛かった。

学生時代からの親友に同じセクシュアリティの友人を蔑(さげす)まれる。

ありのままの自分では長年の親友にすら侮蔑されるのか、去られてしまうのかという恐怖。

自分自身を偽らざるを得ない辛さ。

酒におぼれて暴走するマイケルが我に返って、泣きながら言う「 自分を嫌わないでいられればいいのに 」という台詞が重すぎる。

神に祈っても変わらないし、変えられないこととわかっていながらも祈らずにいられないマイケルや彼らの境遇を思うと、

なんとかしてもっと誰もが生きやすい時代に変えていきたいという想いが強くなる。

考察

アランがマイケルの家にきた本当の意味。泣いた理由。

私もマイケルと同じで、アランは気付いていないだけでゲイ的嗜好があるのかもしれないと思っていて、

マイケルに親友以上の感情を抱いている自分に薄々気付いているが、

自分の中にそういう部分があることを嫌悪するからこそ、なお彼らを否定したくなったりしたのかなと考えたりしていた。

まとめ

ボーイズ・イン・ザ・バンド
©️ボーイズ・イン・ザ・ハンド

自らがストレートだと思って生きている人、LGBTQの作品に慣れていない人は、見ている間中ずっとアランのような顔をしているかもしれない。

見る、見ないという選択は勿論個人の自由だけれども、そんな人にこそこの作品を見て欲しい。

理解できなくてもいい。

彼らがそこにいることを誰も否定したりせず、1人の人間として接することが「 普通 」で、こんなことが話題にも上らなくなる。

そんな未来を作りたい。

撮影秘話の特番も併せてどうぞ。

ボーイズ・イン・ザ・バンド

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