「 ブライズ・スピリット 夫をシェアしたくはありません! 」考察レビュー
文・ライター:@小松糸
ベストセラー作家のチャールズは、スランプに陥っていた。
彼の数々の作品は、事故死した最初の妻であるエルヴィラが考えたアイデアから生まれたものだったからだ。
ハリウッド進出のチャンスをかけた脚本を前に、彼女の力なしでは掴めないと思ったチャールズは、霊媒師のマダムに頼み、あの世からエルヴィラを召喚する。
ブライズ・スピリット 夫をシェアしたくはありません!
公開日
2021年9月10日
原題
Blithe Spirit
上映時間
100分
キャスト
- ダン・スティーブンス
- レスリー・マン
- アイラ・フィッシャー
- ジュディ・デンチ
予告編
公式サイト
なし
感想レビュー
喜劇?
コメディ?
と不思議に思っていたが、最終的にはブラック・コメディだった。
サクサクと物語が進んでいった。
元々が戯曲であり、これまで2000回以上も上演されてきたという作品。
「 舞台だったらこうなるのかな 」と思うものや、設定が舞台でも面白く表現されそうでそちらも見たくなった。
服が全て可愛い。
特にエルヴィラが着ていた服が好みだ。
私は19世紀半ばあたりの服が好きだ。
今作は1937年のお話であり、20世紀ではあるものの、19世紀のレトロな雰囲気も残しつつ、現代に少し近づいてカジュアルな風貌にもなるバランスが絶妙だ。
お人形のようにフリフリのワンピースも、つばが大きすぎる帽子もとても可愛かった。
作家然り、何かを表現することを生業とする人は、恋多き人間じゃないとなれないのか。
チャールズは元嫁のエルヴィラがゴーストライター(いろんな意味でダブルミーニング)として執筆をしていたが、とんでもなくブッ飛んだ女性なのである意味納得できる。
ラスト、オチに向かっていく展開は、ドタバタコメディのようで思わず笑ってしまった。
終始「 え? 」という感じだった。
周りの観客もクスクス笑っていたのが印象的だった。
霊媒師のマダムがお茶目で可愛い。
問題が増えただけでも、マダムが幸せに暮らせるならいいかあと思ってしまうほど。
救われることが全てハッピーエンドではない。
根本が何も解決せずともハッピーエンド。
それもこれも全てブラック・コメディの良さだと思った。
まとめ
上映館数は少ないが、これから増えていって欲しいと思う作品。
物語も分かりやすい、重たい話でもないので、多くの人に親しまれるだろう。
多くの人に見てほしい作品だ。