
若く容姿も声も美しいビューティが、スターへの階段を駆け上るまでを描いた今作。
娘がスターになることに大反対する母親と、子を想っていそうに見えて実はとても欲深い父親。
彼女は契約までの期間どんなことを考え、どんな決断を下すのか。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
ビューティ


公開日
2022年6月29日
原題
Beauty
上映時間
95分
キャスト
- アンドリュー・ドスンム(監督)
- グレイシー・マリー・ブラッドリー
- アリース・シャノン
- ニーシー・ナッシュ
予告編
公式サイトを参照
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー


正直、この映画の原稿を書くにあたって下調べをしたものの、なんの情報もなく困り果てたことを白状する。
大体は、映画の公式サイトを一通り見たり知りたい情報を得たりして鑑賞する方なのだが、今作にいたっては俳優の情報等、
前知識がほぼなかったため、本当にまっさらな状態で観ることになった。
さて、約1時間半の鑑賞を終え映画の話にしようと思うのだが、いちばん最初に思ったのは、「 これって、ジュディ・ガーランドの人生をちょいちょい要素盛り込んで作った映画じゃない?」ということ。
たとえば、若くて美しくてきれいな歌声をもつビューティが、ビジネスのことしか頭にない毒親に苦しめられるというストーリーは、そのままジュディを連想させる。
今作では、ジュディを苦しめた母親の役割をビューティの父親が担当。
金に目がくらみ、ジュディの意思に関係なく契約をせかすようなことばかり言う完全な毒親だ。
それでも今作には希望がうっすらある。
ビューティが自分の意志で毒親との縁をきっぱり絶つシーンがあるのだ。
これはきっとジュディ・ガーランドのように、悲しい人生を歩みそうになったところを、母親や恋人がうまく方向転換させてくれたからだと思う。
もちろん、そこにはビューティの強い決意も存在している。
また、レコード会社の人間でありビューティをスカウトする女性もまた、己の欲望に忠実な人間で、「 完全なスターになりなさい 」
「 私たちにはイメージがあるの。あなたのためよ 」などといった言葉でビューティをしつけようとする。
しかし、ビューティのことを「 神は本当に特別なものを作り上げた!」と言い出したときには、完全に推しを褒め称えるオタクで笑ってしまったが。
今作では有名な俳優が勢ぞろいするわけでもなく、ストーリーも淡々としており、とても大人しい作品。
ハッキリ言ってしまえば少し退屈ではある。
だが、強欲な人間に振り回されることなく、自らの意思でスターへの道を歩み始めるビューティの姿は、とてもかっこよく希望的に映った。
まとめ


スターになるとはどういうことか?
それを深く考えた。
心配する母親が、どうにか娘ビューティを説得するため「 みんなが愛するあなたは本物じゃない。自分じゃないものにされるのよ。そしていつしか本当の自分を忘れてしまう 」
そんな言葉が観終わったあとも頭に残っている。