ペンネーム@藤枝あおいさんからの投稿レビューです。
インドネシア映画を見たことがある人は少ないのではないでしょうか。
インドネシアで人気を博したドラマシリーズの映画版とあって、話はギュッとまとまっていますが、純粋なラブストーリーが楽しめますよ。
愛を探して
公開日
2021年3月3日
上映時間
114分
キャスト
- パンドゥ・アジスーリヤ(監督)
- ハヌン・ブラマンテョクララ・ベルナデート
- ジョルジーノ・アブラハム
- ケヴィン・アルディロヴァ
予告編
なし
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー

好きだった点
インドネシア映画は初めてということもあり、作品の冒頭や、映された街の雰囲気の違いに少し構えてしまった部分もありました。
しかし、どんな国やアイデンティティーを持っていても、胸キュンする場面があり、ほっこりとあたたかくなるようなシーンがあるのはラブストーリーの良さだなと再確認しました。
タイトル通り、ヒロインがさまざまな困難に直面しながらも、隣にいてほしいのは誰なのか「 愛を探して 」いく展開は、とても自然な流れのように感じられました。
インドネシアは1万を超える島々で成り立っており、地域それぞれに言語や宗教を持っています。
そうした背景を思い浮かべながら見ると、今作の物語を超えてインドネシアという国や、インドネシア映画に興味がそそられました。
嫌いだった点
インドネシアで人気を博したテレビドラマシリーズを映画化したとのことで、内容がきゅっと詰まった感じになってしまったのは少しもったいないように感じられました。
主要の登場人物3人の変化も、丁寧に描かれている部分があった一方で、ラブストーリーながらロマンチックな時間を過ごした場面が少なかったりと、急展開に思える部分もありました。
もしかしたら筆者がインドネシア映画初めての鑑賞だったこともあり、「 なるほど~ 」と見ていた間に物語が進んでしまったのかもしれませんが・・・。
見どころ
日本の少女漫画原作の映画化のような、わかりやすい三角関係ではなく、恋と友情、そして愛と、人と人との距離感を表す絶妙な関係性が描かれていた点が見どころです。
恋が散ったり、友情が愛情に変化したりと、時間がたつにつれて登場人物たちの関係が変化してくるのも見応えがあります。
恋人よりもすぐ近くで接してくれていた友達との友情が、次第に愛や愛情に変わっていくというのは、よくある物語なのかもしれません。
登場人物たちの家族や、周囲との関わり、大きな変化のなかで、終盤にかけて主人公の本心が浮かび上がってくるような展開も良かったです。
考察レビュー
Netflixでは、映画の紹介として「 ジャンル 」や「 この映画は(ロマンチック、センチメンタル)」などの表記があります。
今作は「 ジャンル 」のひとつに「 社会問題に迫るヒューマンドラマ 」と記載されていました。
確かに、ラブストーリーという大枠がありながら、宗教、性犯罪やお金(借金)の問題、自死、女性の結婚、妊娠出産、親の介護といった課題や問題を扱っています。
借金を抱えた家族の娘に結婚の話が来たり、結婚とは、女性とは、といったステレオタイプな考えが描かれていたりもします。
もちろん、このような問題はインドネシア国内にとどまらず、日本や他の国にも共通していることが多いです。
しかし、若者の恋愛を描いた作品で、こうした社会問題とも取れる内容を多いに組み込んでいるのは、インドネシアにおけるエンタメの重要性、社会性を示しているとも考えられるのではないでしょうか。
ただ一方で、社会問題を描いたことは今作のいち側面であることを考えると、その要素があまりに多すぎた気がします。
これだけの要素や課題を1作品のなかに詰め込まなければならない理由があったのかは気になるところです。
まとめ

インドネシア映画を未体験の方には、初めての1本として是非おすすめしたい。
今作について調べても情報が少なく、日本語訳のあるインドネシア映画自体も少ないのが現状ですが、見たことのない情景が広がっているワクワク感が楽しめますよ。
ちなみに、Netflixで「 インドネシア映画 」と検索すると、20本近くヒットしますので、気になる方は是非。